肺がんは、肺や気管支などの粘膜に発生するがんで、特に中高年の男性が多くかかります。
患者は毎年増加しており、93年にはそれまでずっと1位だった胃がんを抜いて、死亡者数がトップになりました。
肺がんは気管、気管支、肺胞の細胞ががん細胞となり、無秩序に増えることで発生します。
最近、がんの発生と遺伝子の異常についての研究が進んでいますが、正常細胞がなぜがん化するのかまだ十分にわかっていません。
しかし、喫煙が大きな危険因子であることは確実で、とくに肺がんの中でも小細胞がんと扁平上皮がんは喫煙との因果関係が深いとされています。
また、小細胞がんと扁平上皮がんの大部分は50歳以降に発生します。
一般に、重喫煙者(1日の本数×喫煙年数=600以上の人)は、肺がんのリスクが非常に高いといわれ、毎日喫煙する人と非喫煙者では肺がんリスクに4.54倍もの差があります。
一般的な症状としては、ひどい咳や胸痛、喘鳴、息切れ、血痰、声がかれる、顔や首のむくみなどがあげられます。
とくに肺門部にできる肺がんは、早い時期から咳、血痰などの症状があらわれます。
これに対して肺野部にできる肺がんは、早期には症状が出にくい傾向にあり、がん検診や人間ドック、あるいは高血圧などの他の病気で医療機関を受診した際に見つかることがあります。
ほかのがんと同様に、疲れやすい、食欲不振、体重減少などがみられます。
また、がんが肺以外に転移した場合は、頭痛や腰痛、肩こり、背中の痛みなど転移して部位に応じた症状があらわれます。
咳や痰などの症状がある場合、まず胸部X線単純撮影が行なわれ、次いで気管支内視鏡で肺を直接観察します。
また、がんの有無やがんの種類を確定するために、喀痰細胞診や生検が行われます。
通常、生検は内視鏡によって組織を採取しますが、内視鏡が病巣に届かなかったり、ないしきょうで採取された検体が診断に十分でないケースもあります。
その場合には、肋骨の間から細い針を肺の病巣に刺して細胞を採取する穿刺吸引細胞診や、X線CTを利用したCTガイド下肺針生検、胸膜の一部を採取する胸膜政見などの検査が行われます。
早期では手術療法が効果的ですが、患者の年齢やがんの組織型、進行の程度を考慮しながら手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法などを組み合わせます。